ウナギの日うなぎのことを”むなぎ”と発音していたんですね、皆さんもむなぎが食べたくなりましたか?7月の27日は土用の丑の日で、古来ウナギの日とも呼ばれて来ました。夏バテの活力源としてウナギ屋が大繁盛します。ウナギが夏負けにいいということは、すでに万葉集の時代から言い伝えられていたことです。万葉集編者大伴家持の歌に次のようなものがあります。
1 石麿に我物申す夏痩に
善しといふ物ぞ鰻取り食せ
(いわまろに われものもうす なつやせに よしというものぞ むなぎ とりめせ)2 痩す痩すも生けらばあらむをはたやはた
鰻を取ると川に流るな
(やすやすも いけらばあらんを はたやはた むなぎをとると かわにながるな)これらは吉田連老という人に贈った歌。
この人は、大変身体が痩せていたのであだ名を石麿とつけられていました。その「石麿さんに私は申し上げます。あなたのように夏痩せした人はウナギを食べるのが一番、どうぞウナギ取りにいってお食べなさい」と、ちょっとからかい気味に歌を贈ったのです。
ところが、家持は心配になって来たのです。ほんとうに相手がウナギ取りに川に行って、もしも水に流され溺れて命でもなくしたら大変だぞー家持は危険を心配し始めたのです。
そこで、すかさず贈ったのが2の歌。「石麿さん、あなたは痩せに痩せていても生きているのが何より大切です。もしかして、ウナギ取りにいって川に流されたらそれこそ大変ですよ。」やせっぽちの石麿が川の中でウナギを取ろうとしてウロウロしている姿が家持の瞼に浮かんでくるのです。家持という人の想像力が危険を予想させるのです。笑いの中にも細かい神経を使う家持こそほんとうのユーモア人といえましょう。
今朝の新聞のコラム欄に、犠牲者の出たo157集団食中毒に関連して、上智大学のクラーク教授が次のように語っています。「日本人は不思議なくらい危機意識が薄い。想像力がないから。」
万葉時代には日本人は決してそうではありませんでした。家持のような人が為政者の中にちゃんといたのですよ、クラークさん。
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